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恋愛の法則 2

−恋の法則 続編 終わり良ければ全て良し?−






「上村さんのこと好きなんで付き合ってください!」
あのゴールデンウィークの告白から早5ヶ月。
実家暮らしのあたしは、お母さんが心配するので週末以外は彼の家に泊まらずに家に帰る。(この歳になったんだから、むしろ毎日帰ることに心配してほしいんだけど!!)
だから彼の家に外泊してゆっくり会えるのは週末の2日間だけ。
それ以外の5日間、仕事をしている彼を見てる。
そして分ったことがある。
彼への気持ちがことを毎日毎日少しずつ確実に増えていること。
それと、あたしってば・・・結構ヤキモチ妬きなんだなーーって。(自分で言ってて恥ずかしいわ!!)
この気持ちを3才(ほぼ4才だけど・・・)年下の彼に対して素直に伝えていいものか・・・。
年上の彼女の嫉妬は年下の彼女と同じくらい見せても素直で可愛いと思われる?
それともがっかりされる?
あーーーーーっ!! 誰か正しい行動を教えてっ!!

















「・・・・さん、上村さん?」
「えっ!? はい!」
ぼーっとしていていきなり話し掛けられたから、びっくりして思わずイスから立ち上がってしまった。
驚かせた張本人の塚田さんは楽しそうに笑ってこっちを見る。
相変わらず人の反応で面白がっているのがわかる。
くっそーーーーー!! 成長してない自分がイヤだっ。
「すっげぇ面白いね、相変わらず」
別にリアクション芸人とかじゃないんだけどっ!! っては言えないから。
「すみません、変な行動して」
確かにリアクションが大きすぎた気もするし・・・。
あー、大人の女になるべく考えをめぐらせていたのに、これじゃあダメだぁ。
「別にいいんだけどね。ちょっと散歩しない?」
・・・またそれかい!?
「散歩、ですか」
「いや?」
「いえいえ、ぜひお供させていただきます」
1年と少し前のことを思い出してちょっと笑ってしまった。
それにつられてか塚田さんも満足そうに笑う。
今回の散歩もあの時と似たようなものだろう。サンプルのチェックとか・・・。
けど今回はあの時とは違う。一応塚田さんに対する免疫も少しはできたみたいだ。
これってちょっとは大人の女に近づいたってこと? 
だったらいーけど、違うっつーの!!
はぁーー。相変わらず心の中でノリつっこみしてる自分にへこむよ。
「じゃあ、行こうか」
「はい」
なぜか相変わらず人を見て笑ってるなぁ。
こういう何にも考えてないのに一見複雑に感じる塚田さんのことが5ヶ月前まで大好きだった。
5ヶ月前のあの日までは・・・だけど。
はっ!! そうだ! 重要なことを忘れるところだった。
この先何分後にあの顔を見れるかわからないから、最後に見ておきたい!!(別に最後でも何でもないけど、そんなくらい淋しいと思える顔なんだぁーー! ・・・27歳でも。)
あたしの席から少し離れたところに座っている人。
来年の夏に発売になる新作のコスメのために大忙しなあの班の中に大好きな彼がいるっ!!
・・・・・・・・ってオイ!
「はぁーーーー」
ドキドキしながら見つめた先には確かに大好きな彼!! 井上くん・・・もとい祐(たすく)くんが座っていた。
けどあんまり、ってか全然良い光景じゃないし。
むしろ見ないで散歩に行けば良かったよ。
うちの会社は基本的に(そうじゃない昔気質の上司もいるけど)お茶汲みはセルフだからみんな自分でやってる。
やってるのに、やってるんだよ、やるはずなのにぃぃぃぃぃ!! 
どうして21才派遣社員の栄さんは祐くんにだけコーヒーとか淹れちゃうわけ!?
しかもその時に祐くんの肩に手を置く必要がどーーしてあるわけ!?
そしてそこーーー!! そこの22才若木さん!! そんなどーでもいいようなことはベテランに聞けばいいのに入社1年半の祐くんに質問とかするわけーー!?
そして21才VS22才で火花散らしてるのはなんでだよーーーっ!!
会社中に聞こえるような大きな声で「そこ子あたしの彼氏ですから!!」って言いたい。(ギター侍風に)
言いたい言いたい言いたい言いたい言いたいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!
けど「4才近くも離れてるオバサンが何言ってんの? 自分の歳を考えたら?」って言われるのがちょっと、いやだいぶ・・・ううん、すっごく怖い。
だから祐くんにもお願いして社内には秘密にしてる。
一緒に社から出ないし、駅に着くまでは別の車両に乗ったりして。
本当は別々の家に帰るんだから少しでも一緒にいたいのに。
自分の気持ちがよくわかんない。
言いたいけど言いたくない。
「はぁーーーーーーーーーーーーーーーー」
「すっげぇため息」
「・・・あ! すみません、やっぱり日曜日に休日出勤とかした後の金曜日って疲れちゃいま
すよね」
慌てすぎて身振り手振りで変な言い訳。その行動に塚田さんは大笑い。
やっぱり成長してないじゃん。とほほ。
けど塚田さんの笑顔見てたらなんとなくモヤモヤちょっと晴れた気がする。
一緒に笑っちゃえ!!






「今日の散歩コースはどちらですか?」
笑いながら塚田さんについて歩いた散歩コースはどうやら以前とは違うような・・・。
「これをフル活用するコースなんだけど」
さっきから塚田さんが手にしていた紙袋から、去年に見たものと同じ色のジャージが覗いている。
ジャージといえば、あれかい。
「あー・・・。これですか」
「1年ぶりに学生気分ってことで」
学生気分でちょっとドラマチックだったあれですね。
「カギに気をつけましょうね」
倉庫に閉じ込められたくないし。
「だなーーー」
塚田さんがまた楽しそうに笑う。
あたしってこの人のツボなんだろうか?
それにしても、なんでだろう。
今は祐くんが大好きで若い女の子にすっごい嫉妬とかしてるのに、塚田さんといるのも楽しいし楽だ。
祐くんへの気持ちとは違うし、以前の気持ちとも違うと思うんだけど。(ってか一緒じゃ困るし!!)
うまくいえないけど違うってことはわかる、と思う。








・・・それにしてもこのジャージ・・・。
更衣室のドアを開けると隣の男性社員用のドアも開く。
「「相変わらず似合う!」」
声がぴったりあったのも面白くてお腹を抱えて笑ってしまった。
















『今日残業だから合鍵で先に家にいて。会えるのを楽しみに残業頑張るからヽ(〃^・^〃)ノ   祐』
祐くんとは同じ課だけど班が違うし作っている商品も違う。
毎日忙しそうにしている姿にちょっと(いやかなり)トキメクけど、あたしの見えない時間に若い女の子たちが祐くんにベタベタしてるんじゃないかと思うとすごく不安になる。
本当にあたしでいいの? って不安になる。
家でじっと待っているとそんなことばっかり考えちゃってすごくヤダだ。
中学生の頃のあたしも27才のあたしもやっぱり変わらず恋していて不安な時は一人になるのが怖い。
良くない妄想が頭にいっぱいに広がって、「止めたら?」って声が聞こえる。
今はそんな声に耳をかすことはないけど、いつか従ってしまったら?
そう思うとすごく怖い。
イヤ、だめだぁーーー!! 
こんなこと考えてるの時間のムダだ!!
ムダムダ、ヤメヤメ!!
真紀でも誘ってパーッと飲みに行こう!!
よっし!! 気合だーーーー!!
「上村さん? 今帰り?」
「はい!? あ、塚田さん、沢崎さんお疲れ様です」
テンションをあげるために天井に向かってバンザイしてる後ろから声かけられてしまった。
かなり恥ずかしい!! ・・・そしてまたしても塚田さん笑ってるし。
沢崎さんは同じ課だけど班が違うからあまり話したことがないのに、変なやつだと思われたよね。
うう、真面目で一応しっかりものキャラの予定なのに。
会社でこの行動は控えよう・・・。
「お疲れ。これから真っ直ぐ帰るの?」
「いえ、友達でも誘って飲みに行こうかと思って」
あ・・・週末に予定もない淋しいやつだと思われたかな。
咄嗟にウソつけない自分が悲しい!!
いやいや、予定はあるんだから堂々としよう!!
「じゃあ良かったら一緒に飲みに行かない?」
「え・・・?」













「おかえり・・・どうしたの?」
すっごく嬉しくて本当は抱きつきたいのを我慢して祐くんを迎えた。
一応出来る限り大人の女でいたいんだもん。
でも・・・祐くんが見たことのない表情をしてる。
ひょっとして仕事で何かあったの?
「どうもしてない」
ソファーにカバンを置いて寝室に真っ直ぐに行ってしまう。その行動でどうもしてないんっすか!?
いつもならただいまのキスしてくれるはずなんだけど・・・。
もしかして怒ってる?? しかもあたしに!?
なんでーーーーっ!! ・・・何かしたのかな?
「祐くん、食事した?」
寝室のドアのすぐ側で祐くんに声をかける。
出来るだけ問いつめたりしないように、冷静に。
「会社で弁当食ったよ。麻美さんは・・・飲みに行った?」
ジャケットをハンガーにかけながら言うから表情が見えない。
口調はいつも通りだけど、トゲがある気がする。
ひょっとして嫌われた・・・?
今何て言われたのかよく聞き取れなかった。
言葉にあるトゲが気になって、頭が真っ白になってる。
返事がないからかな、祐くんが振り向いてあたしを見てる。
表情は・・・さっきよりも険しくなってるように見える。
本当に嫌われた・・・?
こんなとき年上の大人の女なら何て声をかけたらいいの?
「いや、べつになんでもない」
思いっきりなんでもある顔してるよ。
どういう返事や態度をあたしに期待してるの?
年の差のせい? 
全然わかんない。
足も口も固まって動かない。
何を考えているの? って聞きたい。
けど大人の女ならそっとしておくべき?
何も言わないあたしに祐くんは背を向けて今度はベッドに突っ伏してしまった。
表情すら覗えなくなってますますどうしていいかわからない。
わかんなさすぎてどうにもできない。
何か言ったら嫌われる? 
どうしたの? って聞いたら別れようって言葉が返って来たらどうする?
足が無意識に祐くんと逆の方向に向かう。
静かにドアを閉めてリビングに戻る。
帰ってくる前に静かな部屋がイヤでかけていたテレビが雑音に聞こえて頭が痛くなってきた。
ソファーに腰をおろしてテレビのスイッチを切る。
静かになったら今度は涙が溢れ出てきた。














「じゃあ良かったら一緒に飲みに行かない?」
「え・・・?」
「ごめん、週末だから予定あるよな。そんな困った顔しなくても大丈夫だから」
塚田さんは苦笑してそう言う。
片思いの時は、こんな風に会社帰りに誘われることなんて1度もなかった。
5ヶ月前なら嬉しくて即答していた。
・・・いや、あたしならびっくりして返事できなかったかも。
でもきっと嬉しくて嬉しくて、その日の思い出の品を大事にとって置いた。
とか考えてる顔を塚田さんは困った顔をしてると勘違いしたらしい。
それとも、今本当に困った顔してたのかな?
困った顔。
あ、あーーーーーーっ!!
そうだ、そっかー。
うん、わかった。
今ハッキリとわかった。
「うまくいえいけど違う」がわかった。
塚田さんが好き。
だけどそれは祐くんとは全然全く違う、好き。
男の人としてじゃなくて人として、尊敬できる先輩として好き。
自分の性格や能力を理解してくれてるから、楽しいし楽なんだ。
気取らないでいいし、後輩っていう甘えも許されると心のどこかで思ってる。楽してる。
けど祐くんはそうじゃない。
気取っていたい、気が抜けない、楽してなんていられない。
いつも他の子に負けたくないってプレッシャーがある。
いつも一緒にいたい、気が抜けないくせに側にいてくれると安心する。甘えてしまう。
他の女の子と話してると嫉妬してしまう。
また気が抜けない、自分に「頑張れ!!」ってプレッシャーを与える。
その繰り返し。
「すみません、今日本当は予定あるんです」
塚田さんに誘われて嬉しかったのは5ヶ月前のあたし。
今日飲みに行くよりやらなきゃいけないことがたくさんある。
「こいつ今日奥さんが友達の結婚式で地元に帰ってるから寂しくて家に帰りたくないんだよ」
沢崎さんがからかうように塚田さんに言う。
「ばれたか」
塚田さんが笑う。あたしもつられてやっぱり笑ってしまう。
「仲良しでいいですね。帰ってくるのが待ち遠しい感じですか?」
「まぁー、どうだろう?」
こんな風にのろける塚田さんに何も感じない。
いつか祐くんが他の女の子にあたしのことを聞かれて、こんな風にのろけてほしいと思う。
「上村さんは?」
あたしは・・・待ち遠しいけど、時間がない。
あたしよりも5才、6才下の女の子と一緒に仕事してる祐くんが家に帰ってきてがっかりしてしまう女ではいたくない。
「あたしもそういう風に思ってもらえるように努力しないとな、って感じです」
祐くんが喜ぶことをしてあげたい。
帰ってくる場所になりたい。
本当は毎日一緒にいたい。
会社中に「あたしの彼です!」って言いたい。
そう自信をもって言えるあたしになりたい。
もしそうなったら、そう言えるあたしになったらできたら、ずっとずっと好きでいてほしい。
「お疲れ様、気をつけて帰れよ」
沢崎さんがそう言って先に歩き出す。
「はい、ありがとうございます。お二人も楽しい週末をお過ごしください」
「上村さんも。お疲れさま」
「お疲れさまです」













あの後いてもたってもいられなくて、祐くんの家に戻って夕食の用意をした。
食べてくるだろうって思ったから、お酒に合うお料理にした。
これならきっと職場で食べた後でも二人でワインとかを飲みながらつまんだり出来るかなって。
対面キッチンからワインの先が覗いてる。
ついさっき、自分に「頑張れ!」って言ったばっかりなのに涙が溢れて止まらないのが悔しい。
天井に視線を移す。
こうすればちょっとは止まる。
あーーっ!! 自分らしくない。
今まで多いとは言えないけど、恋愛だってちゃんとしてきた。
けどこんなに胸が苦しいなんてことあったかな?
こんなにどうしたらいいかわかんないことがあったかな?
全然思い出せない。
どーーでもいいことにしか思えない。
自分の想像以上にあたしは祐くんのことが好きだったんだなぁ。
くっそーーーーーー!!
全然年上の大人の女じゃないじゃん!!
上向いても涙止まんないし!!
膝を抱えて零しちゃった方が早く止まるかな?
うん、止まんない。
けど、この方が暗くて今のあたしにピッタリ?
大人にもなれない、そのくせ素直になれない。
実際祐くんはあたしのどこが好きになってくれたんだろう?
23才の祐くんにはあたしより相応しい人がいるんじゃないのかな?
あーーもう!! マイナスな思考しか出てこない!!
そのうえ・・・嗚咽が出てしまうくらいに涙が溢れて止まらない。
寝室にいる祐くんは何を考えているんだろう?
ドアを開けて祐くんの気持ちを聞く?
それには何かメリットはある?
年上の大人な彼女の対応とは程遠いし、むしろ嫌われてしまうだけじゃないかな。
「ふっ・・・うぇ・・・っく」
あーーっ!! 声を殺して泣いてる27才、どうよっ!! これは全然大人じゃないよね。
こんなとき27才になってもどうしたらいいのかわかんない。
黙って家を出て行く?
それとも祐くんの側に寄り添って話してくれるのを待つ? 
あたし達に残された選択肢はこの2つだけ?







「ごめん・・・麻美さん」
いつの間にドアが開いたんだろう。
声を殺して泣くことに集中していたせいで全く気づかなかった!!
耳元に祐くんの顔があって、後ろからすっぽりと抱きしめられている。
びっくりしたせいで溢れ出ていた涙がピタリと止まる。
心の中が温かくなる。
「ううん、気にしてないよ」
気にしてないなんて見え見えのウソだけど無意識に強がってしまう。
でもこれだけでもう充分かも、って思ってる自分もいる。
「あははは」
・・・・・・笑われてる!? なんで!??
うっ・・・笑っている祐くんの頬が耳にあたってくすぐったい。
顔を祐くん笑い声の方に向ける。
キスより少し遠い距離だけど、抱き合っている時より近い微妙な距離。
なんか恥ずかしんだけど。
「ウソつき」
!? ウソツキ??
すごく嬉しそうに笑った祐くんの顔がさらに近づいてきて、優しく唇が重なった。
こういう時、4才近くも年下と思えない。
あたしの方が年下だって思ってしまう。
一喜一憂させられて手のひらでコロコロ転がされてるように感じる。
けどあたしを年下と思うのはやっぱり願望かな?
「オレすっげぇ心配してるんだけど知ってる?」
唇が離れて少しだけ距離が出来た祐くんは今度は頼りない表情を浮かべてる。
さっきと全然違う。
ドキっとする。
「心配・・・? どうして?」
っていうか、心配ならあたしは毎日かなりすごーーーっくしてる!!
と思うけど、大人の女はこんなこと偉そうに言わない。・・・よね?
「それ本気で聞いてる?」
祐くんの言葉に真剣に頷くと思いっきりため息を吐かれてしまった。
だっていつどーやってどこに心配するの?
「麻美さんと塚田さんが向かいのデスクに座ってるのも気になるし、楽しそうに会話してるのだってすっげぇ気になる」
「え? だって塚田さん結婚してるんだよ?」
「それでも気になるの。それに今日とか飲みに誘われてたじゃん」
・・・・・・・・見てたの?
どこから?
「見てたの。エレベーター降りたとこで」
「あたし今何も言ってないよ?」
祐くんは小さくため息を吐いて、それから。
「麻美さん考えてることすっげぇわかりやすい」
と苦笑しながら言った。
そういえば前にそんなようなこと祐くんに言われたような気が。
「じゃあ、わかってる・・・?」
あたしのずっと思っていた気持ち。
「なにを?」
祐くんは右側の口の端を上げてからかうようにあたしに問う。
ばれてる!?
気づいてる?
「なにを? 言ってみて」
呆然と祐くんを見ていたあたしに再度促す。
くっそぉ。悔しい。
何もかもお見通しな顔してる。
「・・・あたしもすっごい心配、してる・・・んだよ」
悔しいやら恥ずかしいやらでだんだん声が小さくなっていく。
顔が火照っているのが触れなくてもわかる。
27才の女にこんな顔させるなよーーーーー!!
「すっげぇかわいい」
!? ・・・・・・・・!!
嬉しそうに笑って、最大級の誉め言葉をあたしに告げたあと、祐くんは軽いキスをくれた。
信じられない。
どうしてこんなに大好きなんだろう。
ドキドキして、苦しくて、嬉しい。
あーーーーー!! こんなのあたしのキャラじゃなくないかぁーーー!!
「ねぇ・・・オレ麻美さんにお願いあるんだけど」
「お願い?」
背中から抱きしめられていた腕が離れて、あたしの正面に祐くんはなんだか緊張した顔で移動する。
さっきまであんなにあたしをからかって、何もかもお見通しな顔してたのに、今度は年下の雰囲気でちょっとかわいい。
「一緒に暮らさない? オレと」
マジっすか・・・?
「まじで、ダメ?」
だから何も言ってないってばーーーーーっ!!





















「今だって、オレに気を使って優しい言葉かけてくれたり気にしてないふりしてくれてますけど、ずっとこの微妙な距離保ってるじゃないっすか。こーいうとこ、大人だけど、素直で可愛いっていうか・・・」
付き合うことになった日、祐くんに言われた言葉。
そいうえば、あの時も何も言ってないのにバレバレだった。















年上の彼女の嫉妬は年下の彼女と同じくらい見せても素直で可愛いと思われる?



A.「すっげぇかわいい」んだって☆
  あんなにモヤモヤしてたのがウソみたい。
  終り良ければすべて良し!! ってことで、ね。
 




終わり


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2005.10.11


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【後書】
麻美はとっても書きやすい。
井上くんもとっても書きやすい。
塚田さんもとっても書きやすい。
だから1話完結のはずのこの法則はシリーズになるんですね(汗)。
残り2話を書いて完結予定です!!


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