眠る記憶
エピローグ
輪廻 −生まれては死に、また他の世界に生まれ迷うことをいつまでも繰り返すこと− 「亡くなりました。・・・あなたの・・・お母さまの手によって・・・」 私が本当に神と呼ばれるに値するモノなのでしたら、今すぐ伝えた言葉をなかったことにしてほしい。 誰かを傷つけ不幸にする言葉を消し去りたい。 そうじゃないのなら、もう神になどなりたくはない。 私自身の願いの1つも叶えられないのなら。 「…シュンランの魂を救ってくれ!」 神は大切な人を救えない。 面識も何もない民を救うことは出来ても、唯一の肉親を救う力を何一つ持ち合わせてはいないのだ。 何も出来ない。 1番守るべき人を守れない。 ただの民よりも無能な飾りだ。 「シオン…お願いだ…、お願いだ…二度としないと誓ってくれ…」 自殺だけはしないで。 転生することができなくなるから。 あなたの魂はかならず転生させる。 この世界に生れてきた悪夢のまま終わらせることだけはしないから。 あなたのキレイな魂は、幸福な人生を歩む資格を持ち合わせている。 誰よりも幸せになる資格を持ち合わせている。 他の誰が不幸になっても、例え私が消滅しても、あなただけは守る。 誰のためでもなく、自分自身のために。 最後の時に神としてではなく、一人の人として何かを願っても良いなら・・・。 叶わなくても良い。 ただ自分の本心を願っても良いなら。 永遠に廻る運命の中でいつか、あなたにもう1度会いたい。 【輪廻編】終了 |
Update:5.08.2005
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